「一休さん」に出てくる「どうしてぼうや」、あ、正確には妖怪ではありません。
大人相手では一休さんのトンチにかなう人はいませんでしたが、どうしてぼうやの「どうしてでしゅか?」攻撃にはさすがの一休さんも逃げ回るしかありませんでした。
そんな妖怪が我家にもいます。
妖怪「ウタウアカチャン」が自然と消滅したころ、ピヨ子は「どうしてぼうや」に変身しました。
いえ、大抵の子供はみんな一時期「どうしてぼうや」になります。
ならなかったのはウサ子くらい。(それも問題だ・・・)
ピヨ子は3歳くらいから始まってもうすぐ10歳の今もまだ「どうしてぼうや」なんです。
ずっとずうっと「どうして」と言い続けているんです。
「どうしてお空は青いの?」
「どうして海の水はしょっぱいの?」
「どうしてウサギの目は赤いの?」
そんな育児書に書いてあるような質問なら喜んで答えましょう。
図書館へ行って百科事典を調べてでも答えましょう。
この子はエジソンになるかもと思えばそれくらいの努力もいたしましょう。
でもそんなこと聞かれたことはただの一度もありません。
ピヨ子の質問はというと。
「どうして○○ちゃんはピンク色がすきなの?」
「どうしてあの犬は耳にリボンつけてるの?」
「どうしてあの人あんなにズボンさげてはいてるの?」
「どうしてこのドラマの主人公は貧乏なの?」
「どうして××ちゃんのパパとママは離婚したの?」
知りません!本人に聞いてくれ!お母さんに聞かないで!(でも本当に聞きに行きそうだから言わないけど。)
「どうしてパンツはパンじゃないの?」
「どうして仙台は北海道じゃないの?」
「どうしてごはんを味噌汁のおわんにはいれないの?」
なんか答えたくありません。そんなことを聞きたい理由がわからない。
「どうしてお母さんはマンガいっぱい持ってるの?」
「どうしてウチはこんなに狭いの?」
「どうしてお父さんはそんなに太っちゃったの?」
「どうしてすぐ『お金がないから買えません。』って言うの?」
うるさい!!余計なお世話です。
これを毎日毎日やるワケです。本当に何かを知りたいわけじゃない。
ただのコミュニケーションなんです。自分だけじゃなく相手に何かを喋らせたいだけ。
でも聞かれれば聞かれるほど相手は黙っちゃうんですよね。
よそのお宅でよそのお母さんにもやるから困りものです。
「どうして早く寝ないとダメなの?」
「早く寝ないと明日の朝起きるときつらいし。体もちゃんと休めないといけないし。
大きくなれないし、頭も悪くなるし、イライラしてキレる子供になるんだって。」
「ふーん、どうして大きくなれないの?」
「10時くらいに熟睡してると成長ホルモンがたくさん出るらしいよ。
朝に近くなればなるほど出る量が少なくなってくるんだって。」
「成長ホルモンって何?」
「体の中から体を指図する成分。」
「ふーん、じゃあ寝るか。」
という会話をほぼ毎日繰り返してます。(成長ホルモンの説明はたまにしかしませんが。)
結局学習してないってことよね。ただ聞いてるだけよね。
誰か付き合ってあげてくれませんか、この妖怪に。
一生どうしてぼうやのままなんだろうなあ・・・。