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単細胞生活

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
リリー・フランキー / 扶桑社





ミーハーならばミーハーらしく、ベストセラーでも読みましょうかね、
と思って読み始めた一冊。
ホントはね、学校のPTAで大量に図書を購入したの。
注文する本を決めるのも注文するのも、買うのも納めるのも私の仕事。
一人でやるんだもん、好きな本をバンバン注文したわよ。
といいつつ、結局は最近のベストセラーばっかりを買ったわけなんだけど。

で、その中の一冊がこの「東京タワー」。
「ココリコミラクルタイプ」のリリーさんが書いた自伝小説。
え?あのエロ可愛いリリーさんが書いたの?
って物知らずな私はそう思って興味本位に読み始めました。


まず、これはたいそう面白い。
めちゃめちゃ笑える。
1963年生まれのリリーさんの昭和の香りのする子ども時代の話はホントに面白い。
汚いし、悪いし、めちゃめちゃだけど、可愛くて、無邪気で、
で結局すごく面白い。これぞ子ども。
私の子どものときもこんなだったなー。うちはネコ屋敷っていう昭和の香りなんだけど。
でも女の子だったし、やっぱり北海道と九州はかなり環境が違うわー。
今の子どもたちにもぜひ体験させてあげたいような世界なんだけど、
そういうわけにはいかないのよね・・・。


そして、この小説、マジでめちゃめちゃ泣けます。
最後の方なんて一瞬嗚咽しちゃったもの。
泣きながら「うひっ」って言ってしまって、あたりをキョロキョロしてしまいました。
娘たちは奥でふざけながらバカ笑いしてたんで、気づかなかったと思うよ、よかった。


リリーさんの自伝というより、リリーさんのオカンの話。
イナカにはいっぱいいる普通のお母さんなんだよね。
ちょっと波乱万丈だけど。
でも何が突出しているとか、何かすごくエライとかでもない。
しいて言えば料理がめちゃめちゃ上手くって訪ねてくる人に必ずごはんを食べさせるのと、
けっこうヤバイオトンと結婚していて、ずっと夫婦をしてるってことと、
リリーさんにかけられた愛情がハンパじゃないってところがスゴイ人。
でもこの3つ、できそうでできないんだよね。
料理は例え上手にできたとしても、誰コレ構わず食わせてやる優しい気持ちもないし。
夫がもし変なヤツだったら即離婚しようとか思っちゃってたし。
子どもへの愛情のかけ方もよくわかってないような気がしてきたし。


そんなオカンをこれでもかっていう愛情に満ちた目でリリーさんはこと細かく書いています。
余計なことは一切なし。たんたんと事実を述べ、たんたんと思ったことを書いています。


本読んで泣きたいわ、って人にはオススメです。

ですが、
本読んで笑いたいわ、って人にもオススメです。

教科書に載せてみたいけど、載せられない表現多数あり(笑)。
by dayu2004 | 2006-02-16 21:29 | 読書
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