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単細胞生活

みよちゃん2

以前も書きましたみよちゃん話
かいつまんで説明しますと、みよちゃんとは私の母方の祖母で大正生まれ。
子供のころは大家族の貧乏な家の長女でしたが、金持ちのボンボンに見初められて結婚。
姑にイジメられながら、定年まで学校事務で働きながら家事・育児をします。
息子が山で遭難死したり、やっと自由になると思った退職の日に膝に激痛が走って普通に歩行することができなくなるなど波乱万丈の人生です。
今実家の隣で一人暮らしをする88歳の普通のばあさんです。

みよちゃんが姑にイジメられたとか働き者だとか、とっても几帳面な性格だというと、
イメージとしてはマジメそうな堅物ばあさんを思い描きそうです。
でもみよちゃんはとーってもゲームの類の好きな一種の遊び人なのです。

みよちゃんはひ孫とオセロをするのが楽しみと前回も書きましたが、
その強さたるや80歳を超えた人の戦いっぷりではないのです。
私はけっこうオセロが強くて、夫に「お前とは2度とオセロはしねえ!」といわれる程意地のわる~いオセロをします。
そういえばトランプをしててもよく言われます。
大富豪も7並べも「かんじわるい」といわれる始末。まあそんな自分語りはよいとして。

2年生のウサ子はそんな私に似たのかオセロがとっても強い。
姉のピヨ子や夫の親にはまず勝ちます。夫にもときどき勝ちます。
さすがに私には敵わないけど(^^)、けっこういい線まできます。
でもそんなウサ子がみよちゃんには大差で負けました。
みよちゃんも相手が子供だろうがなんだろうが容赦しませんから。(そういう教育方針のウチなんです。)
全部真っ白になったオセロ盤を見て、普段なら泣くウサ子も呆気にとられて泣きもしませんでした。
私は嫌われたらイヤなので勝負しないでおきますが。

今みよちゃんが好きなのはナンクロというヒントのないクロスワード。
それも全部漢字のやつ。
最初に何個かマス目に文字が入ってますが、全く文字の入ってない(つまり数字の羅列だけで漢字を推理する)超難問がいちばんのお気に入り。
夜中1時ころまで毎晩やっているようです。
あとはマス目を数字に従って塗りつぶすと絵が出るというイラストロジック。
その巨大なヤツをやるのが好きなんですって。
「時間だけはいっぱいあるのさ。」って。まあそれやってる限りは認知症にはならないかも。

みよちゃんは若い頃(といっても5、60代)はよくパチスロをやっていました。
もうないのですが、ススキノの駅の近くにきったないパチンコ屋があって、よくそこにいて「勝ったからご馳走してあげるよー。」と電話があったものでした。
なので未だにゲーセンを見ると血が騒ぐようです。



昨年夏、私と母と子供たちとでみよちゃんをジャスコに連れて行きました。
短距離をゆっくり歩くことはできても、あの大きなショッピングセンターではやっぱり無理があります。
最初から入り口で車イスを借りて、それにみよちゃんを乗せて当時3年生のピヨ子がずっと押しました。
まずは食料品。「サシミが食べたいな。」「豆腐がほしいなあ。」と言うたびに押していたピヨ子は商品を取りに走りました。
人の役に立つ喜びを感じるピヨ子・・・っていうか、スキあらば自分が車いすに乗ろうと思っているピヨ子なのでみよちゃんの側から離れません。
まあでもみよちゃんにとってはいいらしい。

そのあと買った荷物をコインロッカーに入れ、2階のおもちゃ売り場付近へ。
「ピヨ子にお礼を何か買ってあげるよ。」なんて行って上がってきたのに、みよちゃんの目はその奥にあるゲームセンターに釘付け。
「ちょっと行ってみる?」と聞くと車イスの上でウンウンと頷く87歳のおばあさん。

みよちゃんはコイン落としにはまりました。1000円でコインを大量に買ってひたすら落とし続けます。
私が真っ先に飽きました。次に母が時間を気にし始めました。
娘たちも最初はなくなればすぐに買ってもらえるコインに喜んでいましたが、
それはそれでつまんないもんだと感じ始めました。
でもみよちゃんはやめません。
ガチガチになった手先で器用にコインを穴にいれます。
押されて落ちてきたコインはウサ子がみよちゃんのコインカップに入れてあげます。
ときどき数字がそろって、どこかからたくさんコインがふってきます。

小1時間はやってましたか。UFOキャッチャーにも飽きて一人ソファで待つ私。
目の前に車イスに乗る6年生くらいの男の子が。
でもどう見ても歩けないとは思えない。っていうかさっき走ってた子じゃん!!
みよちゃんが夢中でゲームして(もちろん立って)いる横に置いておいた車イスです。
「ちょっと、それどこにあったの?お兄ちゃんのかい?」と詰問する私。
「いや、これ落ちてた。」とその少年。
「落ちてたんじゃなくて、これうちのおばあちゃんが使ってたヤツじゃないかな。」
「ごめんなさい。」と言って去ろうとする少年。
「ちゃんと元にあったところに戻しておきなさい。」
「はい。」おっかないおばちゃんでごめんね。

でも車イスを1時間もほったらかしにして同じゲームし続けるとは思いませんでした。
ホント恐るべしだよ、みよちゃん。
by dayu2004 | 2005-05-13 17:36 | 家族
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