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単細胞生活

神田和美ちゃん(「女王の教室」より)

女王の教室」で、悪魔のような阿久津マヤ先生(天海祐希)と真正面から立ち向かう生徒、神田和美(志田未来)ちゃんはこんな人で、「女王の教室」はこんなドラマです。


和美ちゃんは明るくていつもニコニコしている人気者でした。
お姉ちゃんがぜんそくもちで頭がよく、母親にあまり構ってもらえませんでした。

ある日やってきたマヤ先生に真っ先に反抗したために、雑用係を引き受けさせられました。
怒られたりなじられたりする友達を庇ったために、重い罰を受けさせられます。
やがてそんな友達もマヤの言いなりになって和美ちゃんを裏切ったり、学校にこなくなったりしてしまいます。




ある日財布を盗んだ元親友のえりかちゃん(梶原ひかり)を庇ったために、逆に犯人扱いされることになります。
それが元でえりかちゃんを筆頭にクラス全体から強烈なイジメに遭います。
和美ちゃんは「私は逃げません」とマヤに宣言し、みんなに手紙を書きます。
みんなはそれをビリビリに引き裂いた上、和美ちゃんに大怪我させてしまいます。
それを機に三人の友達が本当の親友になります。
そこでスッキリイジメはなくなりました。

えりかちゃんはマヤにスパイをさせられていることがみんなに知られ、
今度はえりかちゃんに非難の目が寄せられます。
暴発したえりかちゃんは教室に火をつけようとした上、マヤにケガをさせます。
みんなも自分とえりかちゃんに何の差もないことに気づき、えりかちゃんは救われます。

教室も私立を受ける人と受けない人にきっぱり分かれていましたが、
由介(松川尚瑠輝)が西川くん(酒井朔太郎)にケガをさせたことで逆にクラスがひとつにまとまりました。
今度は子供VS親です。
三者面談からどの家庭も親子の関係が悪くなってしまいます。
参観日に子供たちは自分たちの真剣な気持ちを伝えることができました。

人間関係が好転し、子供たちがそれぞれ目標を覚え、クラスがひとつにまとまります。

由介のおじいちゃん(篠井英介)が言う、
「このクラスの子達はみんなステキ。それもこれも先生の教育がいいってことね。」
には救われた気持ちになりました。


マヤのやり方はもちろん全くよくありません。
教育上よくないということだけをしているんです。
贔屓する。差別する。罰を与える。スパイさせる。裏切らせる。
そのせいで一度はみんながどん底まで落とされてしまいます。

ところがそのどん底にあるときに、子供たちにマヤはすごく大切なことを伝えるわけです。
何がしたいのか、どうすればいいのか、どうあるべきなのか。
すべてを自分で考えさせ、自発的に行動させるように仕向けるんです。
それに一番のっちゃうのが和美ちゃん。
反応はよくありませんが、考えぬいた結論はいつもみんなを最上のものへと導くわけです。
マヤが和美ちゃんに目をつけたのが判ります。

ここまではドラマなのでファンタスティックですミラクルです。
実際にはこんなに単純に片付くわけがありません。
親も子どもも思った通りに動かない人が必ずいます。

で、ここから先は現実の話。


このドラマは親や教師には目の敵にされ、子供たちからは絶大な人気を誇っているとか。
「こんな残酷なものを見せたら子供がマネするかもしれない。」
「ただ強烈なだけで危険思想だわ。」

でもね、「こんなヒドイドラマ見るんじゃありません。」と言われた子供たちは思っているに違いありません。
「お母さんは知らないのね。現実にはもっとひどいことしてる人いるのに。」って。

イジメはおとぎばなしではなく、実際ひどいことがガンガン起きているし。
親の押し付けや先生の贔屓も、もっとひどいこともあるでしょう。
子供の意思に関係なく、進路を決めちゃったりもしますよね。
子供は親が知らないだけで、友達や先生や親本人からもいろんな言葉で傷つけられ、
それをじっと耐えているのかもしれないんですよ。

「目覚めなさい」と言われているのは実際には大人なんじゃないかと思うわけです。

先日、非行少年の保護やイジメや不登校・引きこもりの電話相談を現在実際にしている市の指導員の方とお話をする機会がありました。
専門家で高みから偉そうなことを言う人よりも、よほどに説得力がありました。

「今の子供は失敗を知らない。親は先回りして、子供に失敗させないようにする。
その子供がある年齢に達して初めて挫折を知ったとき、自分は親がいないと何もできない、
自信のない子供になってしまいます。
そして人と関わることを恐れ、姿の見えないネットでの生活が楽になり、
外に出ることも働く事もしなくなるんです。これからますますニートは増えますよ。

親のできることは、子供をある程度は放っておくこと。
失敗させること。危険な事以外はさせてやること。
悪い事はどんな小さなときからも叱り、どんなに大きくなっても子供を認めて褒めてあげること。
褒めすぎてもよくない。
何に褒めてほしいのか常に目をこらし、子供の気持ちを汲んであげることです。」

時を同じくして「ドラゴン桜」でも言っていました。
「親は子供を叱りすぎたり、褒めすぎたり、兄弟や自分と比べたり、放任しすぎるのが一番よくない。
親は子供の言う事を繰り返せ。繰り返して親が子供の話を聞いてくれていると思うと、子供は安心するものです。」


要領が悪く、明るいのと人見知りしないのだけが取り得の、
神田和美ちゃんになんとなく似ているうちのピヨ子(4年生)が言いました。

「お母さんは和美ちゃんみたいなことできる?
あんな風に友達にされても元気でいれる?
仲良くできる?
ピヨ子にはできないな・・・。和美ちゃんはスゴイよね。」

お友達に「ピヨ子ちゃんと仲良くしてたら○○ちゃんに怒られるから、学校では手をつながないで。」って言われたり、
目の前でヒソヒソされたり、同じ文房具を持っていたら「これなくした私のものだから返して!」と取り上げられたり。

その○○ちゃん自体も廊下に張ってある学級写真に傷つけられたり、
貼られた習字を破かれたり。(いちばん大騒ぎしたのはピヨ子なんだそうで^^;)

和美ちゃんになれなくっても、ピヨ子らしいまま頑張って強く生きていって欲しいな、と思ったわけです。
by dayu2004 | 2005-09-04 15:39 | テレビ・映画
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